BLUE SKYの神様へ〜作られた人種〜
俺は赫菊を睨みつける。
「何故そうなった?」
赫菊の後ろにいたクレシットが聞いてくる。
「何でお前等にそのことを話せなければならない」
「・・・・・・・・・・」
俺は次にクレシットを睨んだ。
何故知っている?
目の呪いを知っているのは、多分悪魔ぐらいだ。
どれぐらいこの事を知っている?
こいつら・・・・・・・・一体。
いつまでたっても話が進まないので、赫菊が溜め息をつき、頭をかいた。
「まあ、お前が言いたくないなら俺たちは何も聞かない。
だが、何か嫌な感じがするぜ」
「・・・・・・・それってどういう」
「なんとなくだ」
「・・・・・・・?」
「なんとなくしか分からないんだ」
そう言い赫菊はクレシットを見た。
クレシットは赫菊にうなずき話をはじめた。
「我々、鳥人類と植人類は他のビーストのように古代人間が作り出した有害物質の変化で現れた人種ではない」
「?」
「我々は元々作られた人種なのだ。人間によって・・・」
「・・・・・・・それって?」
「人種改造の実験台だったんだよ。俺達の先祖は」
赫菊が言った。
「つまり、我々も一種の呪いにかかっている」
クレシットが話を続ける。
「その為、呪いや能力の微量な変化には敏感でな。
戦場でお前の目を見た時、何かあると感じた」
「・・・・・・・・・」
「だからあえて言っておく」
赫菊が俺を見つめ言った。
「お前のその呪いヤバイぜ!
かなり強力で深い」
「分かってる・・・・・・・・・」
「目を閉じているということは、シルメリアの奴等に相談していないだろう。一度はっきりと話をしてみろ!」
クレシットが俺の肩に手を当てた。
「このシルメリアには、たくさんの者が色々な情報を持っている。何か分かるかもしれん」
「ありがとう・・・・・・」
俺は正直に言った。
「けど・・・・・・いいんだ」
「しかし・・・・」
「いいんだ・・・・・・」
俺は自分に言い聞かせるように言った。
そして二人の間を潜り抜け、外に出た。
二人は俺の態度に不満を抱いたかも知れない。
でも、だけど・・・・・・・。
俺は入り口のすぐ横の壁に寄りかかって、左目を押さえた。
この呪いは、この運命は俺の問題。
このシルメリアの奴等にこれ以上迷惑をかけるわけには・・・・。
ふと視線を感じ、俺は辺りを見回す。
そこにはオギロッドが木に寄りかかりこちらを見ていた。
やはり・・・感づいたのかもしれない。
俺は両目でオギロッドを睨んだ。
そしてそのままオギロッドの横を通る。
オギロッドは何も言わず、俺を通り過ごした。
俺も何も言わず前だけを見つめて歩いた。
そして俺は左目を瞑り大きく燃え上がる炎の広場に向かった。